その後母はドイツでオランダ人と結婚し、フランスのパリで私を出産しました。
オランダ人の父は非常に貧しい出身で、収入もあまりよくなく、母のソリストとしての稼ぎと祖父母からの莫大な仕送りで生活をしていたのです。
フランスパリでの生活も祖父母の支援があって、セレブのような優雅な生活だったのを子供心に覚えています。
母はパリの蚤の市や骨董市場でアンティークを買うのが趣味でした。
中には絵画のコレクションもあって。
パリのアパルトマンの壁には素晴らしい絵画のコレクションが飾られていたんです。
子供心に自分もこんな絵が描けたらと思ったことを鮮明に覚えてます。
その後私が9歳になったころ、父がほかの女性と不貞を働きそのことが原因で両親は離婚しました。
ショックに打ちひしがれたお嬢様の母は、このままパリにいたくないとして私を連れて日本の渋谷の実家に戻ったわけです。
この母も15年前に98歳の大往生で実家でそのまま亡くなりました。
本当に絵にかいたような素晴らしい人生だったと思います。
そして母が亡くなってからは、母の財産や遺品整理にホウンそうすることになったんです。